独断

「お前は彼女を愛してるのか?」
「ああ、好きだよ」
「好き? それは愛か? お前は彼女の愛情に甘えて、
 離れるのがメンドウなだけなんじゃないのか?」
「そんなことはない! オレは彼女のことをいつも考えている!」
「そうかもしれないな。だけどお前が彼女のことを考えるのはなぜだ?
 いつも孤独だからだろ。
 そして彼女を思っていることを盾にして、それを愛と称して正当化してるんだろ」
「違う! 絶対に違う!!」
「……それなら、彼女を愛していると言ってみろ」
「……オレは彼女のことを…………」
「どうした、早く言えよ」
「…………」
「……答えは……もう出たな」
「………………」

 

オレはベンチから立ち上がると、一度だけ力まかせに頬を叩いた。
乾いた音が、誰もいない公園に響き渡る。

オレは前へと歩き出した。
また1人だけで答えを出したことに、たぶん彼女は怒るだろう。

見上げた空は、晴れている。
今日の天気予報のことは、忘れることにした。


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