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自転車 俺は速いのが好きだ。
けど15歳の俺にバイクなど買えるわけもなく、
ビュウッ いまも一緒に風をきっている。 いつもは地元や近場で済ませるのだが、今日は少し遠出をしてみた。 そこはある程度の距離があり、県内でもっとも急な勾配のある下り坂だ。
さすがに午前4時ということもあってか、肌寒さが際立つ。 目の前には赤く点った信号が立っている。
信号を背にまっすぐ進んでいると、少し見開けた場所に出た。
グッ 俺は脚に力をこめてペダルを大きく一こぎした。 そのまま慣性で俺と愛機は前へ進み、そして坂に沿って流れる。 ゴォォォオオ―― 突風を感じる。
空気が俺を叩きつけているのか、俺が空気につっこんでいるのか。 痛いほどに、俺は快感をおぼえていた。 涙が溢れそうだった。 目を開くとしぶきのように散り、もう終わりが近づいていることを知った。 俺はゆっくりとレバーを引いた。
変化はなかった。
けれど動揺することはない。俺には脚がある。
俺は少し風を感じ落ち着くと、ゆっくりと爪先をつけた。 パカン 空気からではなく、肉を通じて。
動揺していると気づく前に、倒れていた。 ガガガガッ 肉がそがれる感触が体に響く。
ああ、この先は4車線だ。 |
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